塾歴社会
ある機関のアンケート調査によると、東大生の約85%、早稲田、慶應、一橋などの主要難関大生の約95%が塾通いを経験してるって結果がでたらしい。日本の "エリート" は塾なしには育たないと言っても過言ではない、というところまできているらしい。
確かに、自分の友達に聞いてみると、どこかしらの塾には通っていた子が多い。塾に通ってないパターンが少数派になってきている。
東大に入るための王道の塾キャリアもあるんだって。
小学4年くらいまではKUMON、それから小学5年くらいからサピックスという塾に通って私立の中高一貫校をパスして、中学生になったら鉄緑会っていう中高一貫校向けの塾に通い、東大へ。
学歴社会というより、塾歴社会ともいえる時代に突入した。
おれはてっきり、学校ありきの塾だと思ってた。つまり、学校がなくなってしまったら、塾も潰れちゃうんじゃないかって思ってた。
でも、どうやらそうではなくなってきている。
日本には約5万の塾がある。実は、日本の教育は学校と塾とが、うまく役割分担をしている、世界でもまれなハイブリッド教育システムなんだ。
塾があるからこそ、学校は受験勉強に縛られずに、長期的な学習目標を据えて、本質的な教育を実践することができる。
(英語科でいうと、コミュニケーション活動をたくさんとるような。)
もし、日本から塾がなくなってしまえば、この受験戦争に勝ちあがるための勉強に、学校が重点を置かなくてはならなくなる。学校がそうしたくなくても、保護者などからそういう要望がくる。
つまり、この学歴競争主義的な進学システムにおいて、塾が、学校教育を守る最後の砦のようなはたらきをしているんだ!!!
塾の恩恵はこれだけにとどまらない。
それは、たくさんの種類の塾があることで、子どもたちも自分の学習スタイルにあった塾を選ぶことができるということ。集団授業がいいのか、個別指導がいいのか、映像授業がいいのか、家庭教師がいいのか。
この選択の幅によって、多様な子供たちの多様な学習タイプに応えることができる。
つまり「学校 × 塾」によって、日本の学び方の多様性が守られているんだ。
でも、日本で塾教育がこれだけ普及するってことは、日本の教育の平等性や公正さの中で発展してきた学校教育だけでは、受験に対応することができなくなっている、ということ。
もっと言うと、日本の「受験」というシステム自体が制度として疲れ切ってしまってるってことになる。
どういうことか。
続きは次回へ。笑
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参考文献:
受験と進学の新常識 いま変わりつつある12の現実
おおたとしまさ