愛が伝わらない告白方法
「英語で愛を告白するときの言い方は??」
I love you. ...①
「じゃあ、今度はそれを受け身の文に、書き換えてみましょう!!」
You are loved by me. ...②
「よくできました!!主語と目的語を入れ替えることで、受け身の文が作れます。そして、①と②の文は同じ意味になるのです!類題をたくさんやってみましょう!!」
これが日本の英文法指導。
これを見た英語圏の人はお腹を抱えて笑ってしまうらしい。
①と②の文はまったく同じ意味ではないからだ。
英語は基本的に、大事な情報、新しい情報を最後に持ってくる。
相手に愛を伝える時、いいシチュエーションで、お互いドキドキしている。
そんな場面で、"I love..." ( わたしが好きなのは... )
相手に「わたしのことかな? ///」って期待させて、"you." ( 君だよ。)という。
これが①の文。
一方、 "You are loved by..." ( 君のことを好きな人がいるんだって... )
それを言われた相手は、「だれが私のこと気になってるのかな!/// あ、バスケ部の先輩かなー? あ、となりの席のA君かなー?」って期待に胸を膨らませているときに、"me." ( おれ様だよ。)
これが②の文。
②の方で告白されても、「え、お前かよ!?」ってなるし、「君は、私によって愛されてるんだよ。」は上から目線過ぎて、関係を崩すかもしれない。
これが許されるのはキムタクか山Pくらいかも。
つまり、②では愛を伝えることが難しい。笑
「日本人は6年以上も英語を勉強するのに、英語を使える人が少なすぎる!!!」
確かに、これはごもっともで、6年間も勉強していることが身につかないっていうのは、驚異の効率の悪さだね。
その原因の一つを構成しているのが、
「英語の文法指導は、その文法の形(Form)と意味(Meaning)は教えるが、その文法の使い方(Use)を教えてなさすぎ!!」
っていう教育方法への批判がある。
おれらは中学校や高校でたくさん文法を教えられてきた。その形や意味を教わってひたすら問題集の問題を解いてきた。
けど、それを「どういうシチェーションで使うのか」を教えてもらっていない。ましてやそれを使う機会もなければ、練習する間もなかった。
使い方も分からないまま、大学受験のために分厚い文法書を読み漁ってた。 知識を詰め込むことに夢中になっていた。
問題集の機械的な書き換え問題を続けていると、平然と②のような文が完成するのである。
今回は「受け身」を例にとったが、他にもたくさん、この種の齟齬が、日本の英文法指導の中にはある。
だから、今、日本の英語教育が変わろうとしているんだ。