資本主義とお母さん
産業革命を通して、性別役割分業は加速の一途を辿った。
今までは多くの家庭では、男女ともに家で農業や製造業を営み、子どもを育てていたが、産業革命が起こったことで都市に工場が乱立し、お父さんは家の収入を稼ぎに外へ出た。
お母さんはというと、今までは2人でやっていた家事をひとりでこなすようになり、子育てに専念するようになる。
つまり、お父さんは外で有償の労働に、お母さんは家で無償の労働に従事することになる。
前回も女性が家庭内に閉じ込められるという話題を服装の観点から見てみたが、社会構造の観点からも見て取れる。
↓参照
一見、社会に出て、資本主義の波に乗るために競争を強いられるお父さんの方が、学がないといけなさそうだが、ここからは意外な結論が出てくる。
それは、国の大事な未来を担う子供たちを"人間"に育てるのは、外にいるお父さんではなく家にいる母さんだ。だから、女性こそたくさん勉強しなくては!!
こうして、普通教育は男の子対象から、共学へ移行していく。
現在でも、子育てに占めるお母さんの割合は大きい。お母さんが主婦な場合、「家内」と呼ぶけれど、お父さんが主夫な場合、「家内」とは呼ばない。
それが良いか悪いかはおいといて、お母さんが子どもに及ぼす影響も大きいと言えるかもしれない。教育ママとい呼ばれるように、お腹の中にいる時から、圧倒的に子どもと時間を共有するのは、どちらかといえば母親の方である場合が多い。
放任する態度、心配性な態度、手厚く介入する態度。幼少期の教育はほぼお母さんに委ねられてるといっていい。
ピアノを知らない子どもが「将来、何かの役に立つかもしれない。」と習い始めるのは難しい。お母さんが子どもにある程度のレールを敷いてあげる。
そこから、家族以外の人間と触れていくことで、子どもたちは自らの人生を選択していく。兄弟で性格が変わってくるのはここから。つまり、お母さんは子供にとっての人格の土台になる。
おれもお母さんの影響は大きかったな、とつくづく思う。お弁当をいつも作ってくれたし、勉強しろとも言わなかったので好きなことに没頭した。ピアノも教えてくれた。
お母さんがいつの世も子供のことを心配し、気にかけるのは、しごく当たり前のことかもしれない。だから、「うちの子だけ…」なんて思わないでほしい。