anのウラばなし ~なぜ母音の前はanなのか?~
a斗
「数えられる名詞は裸で使ってはいけませーん。
必ずなにかひとつ、飾りがひつようでーす。
例えば、名詞の前には "a" とかをつけよーう!」
n人
「棒読みだね、セリフが。
僕のことも忘れないで!
母音から始まる名詞の前では、
"a" じゃなくて、"an" をつけるよ!」
a斗
「忘れてなんかないよー。
うしろが母音だったら、
例外的に "an" なんだろ??」
n人
「え、例外的??
おいおい、冗談だろ!?!?
もしかして、
"an" はサブキャラってことなのかい!?!?」
a斗
「えっ。
だってそうだろ??
うしろに母音が続くと、
『a+母音』が発音しづらい。
だから、仕方なく "an" に変身させるんだ。」
n人
「失礼な!!!!
横柄にもほどがあるよ!!!」
a斗
「一体どうしたんだい!?」
n人
「もう我慢の限界だ。
今日こそ、僕らの立場をはっきりさせておこう!!
僕ら "a" や "an" は冠詞っていうんだけど、
昔の英語には、日本語のように、
そんなものは必要なかったんだ!!
あったのは、[1] という意味の "an" だけ!!!」
a斗
「たしかに、どこかの国では、
アン、ドゥー、トロワ...って言うもんね。
でも、"an" しかなかったの!?
"a" はなかったのかい!?」
n人
「そうだよ!
時代が進むにつれて、
[1] という意味が "an" → "one" へ、
[1つの] という意味が "an"
という風に分かれていったんだ。
そして、"an" のうしろが子音だと、
子音が重なって発音しづらいだろ??」
a斗
「な、なに!?
まさか!?!?!?」
n人
「そうさ!!
『an+子音』が発音しづらい。
だから、
うしろに子音が続く時は
例外的に、"a" にしたんだ!!!
つまり、真のサブキャラは。、
お前の方だぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
a斗
「ひゃあぁぁぁぁぁあああ!!!!」
★今日のウラばなし★
・古英語の世界では、
"an" は数字の [1] を意味してた。
・のちに、
[1] "an" → "one" へ、
[1つの] "an" → "a"(後ろに子音が続く時)
と変化した。
n人
「これからは、身分をわきまえたまえ。」
a斗
「ひぃぃぃいい。」
n人
「ちなみに、うしろが子音だからと言って、
なんでもかんかんでも "a" にすればいいってもんじゃないからな。
たとえば、
[1時間] は、an hour (アン アワー)
だよ。
逆に、
[1つの大学] は、a univercity (ア ユニバーシティ)
だよ。
何がポイントかわかるかい?」
a斗
「うしろに続く文字が母音か子音か、
じゃなくて
うしろに続く音が母音か子音か、
で "a" か "an" かが決まるってことですよね。、?」
n人
「ご名答!」
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※ 英語のカタカナ表記は便宜上わかりやすいものを書いています。
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参考:
・語源でわかる中学英語 knowの「k」はなぜ発音しないのか?
原島広至