戦争って本当に悪いこと?
こんなことを言ったら怒られるかもしれない。
でも、歴史が教えてくれる真実には変わりない。
戦争のもつ負の側面は大きい。
なにより、たくさんの人を傷つけ、たくさんの憎しみを生み、たくさんの人が怒り、たくさんの人が悲しむ。
でも、戦争によってもたらされた恩恵も、実はある。
そのひとつは、参政権。
戦争のおかげで、より多くの人が政治に参加できるようになったんだ。
紀元前6世紀頃、アテネは財産政治や僭主政治と政治の仕組みを試行錯誤していたが、
結局、政治に参加できるのは、自分のお金で、自分で武器を用意し、国を守るために戦うことのできる者、
つまり、戦争に参加できる者だけに参政権が与えられた。
ということは、
選挙に参加できるのは、財産を持つ男性であった。
じゃあ、財産を持たない貧乏な男は??
前500年のペルシア戦争を経験することで、
財産を持たない男性にも選挙権が与えられた。
なぜかというと、その戦争では、財産を持たない多くの人の援助なしでは、勝てなかったからだ!!
自分の国を守るために戦争に参加できるならば、政治にも参加できるんだ。
歴史は繰り返す。
そう。女性は戦争に参加できない(とされていた)から、政治にも参加できなかった。
でも、あることをきっかけに状況が変わった。
それは、2度の世界大戦だ。
「総力戦」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
20世紀の戦争は今までの戦争の常識を変えた。
戦うのは軍隊だけではなく、国民全員だ。その国の持つ国力のすべてを戦争に投下する。
軍とは関係の無い、国内のほとんどの一般男性が戦場にかり出された。
じゃあ、その間、工場で働くのはだれ?
だれが武器や食料を生産するの?
だれが物資を補給し、だれが弾丸や軍服を作るの?
それが女性たちだった。
女性なくしては戦争なんか続けられなかったんだ。
そうやって、20世紀を皮切りに、多くの国で女性にも参政権が与えられていく。
日本も女性に選挙権が与えられたのは1945年なんだ。
現在でもなお、参政権を持っていない人はいる。
日本にもいる。例えば、在日外国人。
長年日本に住んでいたって、日本のことをよく知っていたって、まだまだ選挙に行く権利が与えられない人がいる。
だから、人前で気軽に「選挙に行こう!!」なんていうもんじゃない。
戦争が良いというわけではない。
だが、戦争の負の側面だけを眺めていてはダメ。
だから、歴史を学ぶ。
参政権の他にも、戦争のもたらした恩恵は、実はたくさんある。
科学技術の進展、自動車産業の興隆、航空産業の発展、インターネットの普及。。。
全部戦争を通して、人類が進化させてきた。
人類は、戦争を経験することで、大きく成長したんだ。
良くない事だって誰もがわかっているのに、人間は絶えず戦争を繰り返してきた。
だから戦争はやめられなかったんだね。
だって、
人間は、成長することをやめられない生き物だから。