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エイメイ学院 / 明成個別 英語科講師のブログ

16万の消えゆく小さないのち

 生命倫理の問題と聞くと、日本ではけっこう安楽死の問題が主役に躍り出るかな。

 

 

 

 安楽死は賛成?反対?

 

抗がん剤治療に苦しむ患者を家族の意思で死に至らしめていいのか。

 

本人は本当に死を望んでる?

 

殺人と同じ??

 

でも、苦しんでいるから楽にさせてあげたい?

 

 

 

 しかし、海外では、もちろん安楽死の問題もそうだが、もっと論争されているのは、人工妊娠中絶の問題だ。

 

 

 

 特にアメリカでは、大統領になると必ず聞かれるほどの争点なんだ。

「大統領、あなたは中絶に賛成・反対、どちらの立場をおとりになるんですか!!」

 

 

 日本で、憲法改正に賛成か反対か聞かれるのと同じような、政治的な立場になりうるのが、中絶の問題なんだ。

 

 

 

 

 

 

 「生命の命は他の何よりも重い。一番尊い。奇跡の連続で誕生しようとしている新たな "いのち" を他人が勝手に殺していいはずがない!!」

 

 このような立場を、Pro Life ["pro"は賛成の意] と呼ぶ。それに対して、

 

 

 「中絶は当事者、特に女性の権利だ。育てるのは親なのだから、親が育てないという選択をとるなら、それを尊重すべきだ!個人の選択の自由を守れ!!」

 

 このような立場を、Pro Choice と呼ぶ。

 

 

 

 

 あなたはどちらの立場をとるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 たしかに Pro Life は聞こえがいい。キリスト教的感覚があるし、日本でも人命第一とかよく言う。

 

 でも、レイプ被害など望まない形でできてしまった子どもは?

出生前診断で生まれても生きていくことができないほどの重度の障害が見つかった子どもは?

必ず生まなくてはいけないの???

 

 

 

 Pro Choice もいくつか問題点がある。

 

 物事を言うことができない胎児の権利は?

中絶の当事者って、お腹の中の胎児じゃないの?

胎児の人生を親が決めていいの?

あなたの決断で、ひとりの人生を決めていいの???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アメリカではすごいよ。人工妊娠中絶行ったクリニックに、中絶反対派(Pro Life)の人間が銃弾を撃ち込んだこともあった。

 

 生命を大切にしろっていう立場(Pro Life)なのに、銃弾打ち込むってめちゃめちゃ面白いけど!笑

 

 でもそれくらい、多くの人が関心を寄せていることなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在、日本では年間約16万件の人工妊娠中絶が行われている。

 

 

 

 

1日あたり約450件の計算になる。

 

 

 

 

 戦争のない平和な日本で、年間の自殺者数は約2万人。

たびたび話題になるが、中絶によって失われるいのちは、年間16万だ。

 

 

 

 

 日本国憲法では、人工妊娠中絶は禁止されている。

でも例外規定があって、レイプによる妊娠や経済的な理由によって、例外的に中絶が可能になる。そして、それが1年に16万回も適応されている。

 

 

 

 

 「日本人は命を大切に」と言うわりに、16万もの人工妊娠中絶がなされる。すこし無関心すぎじゃないか???という警鐘を鳴らすまでにとどめておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 子どもの幸か不幸かは誰が決めるのか。

 

 子供は親のものなのか。親の所有物かのように、ひとつの命の未来を決定していいのか。

 

 子供は社会のものだから、社会で育てるべきじゃないのか?

 

 じゃあ、経済的な問題は?「福祉」と「未来への投資」という観点で社会がなんとかしなくちゃいけないんじゃないのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あなたはどう思いますか?

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