shima's diary

エイメイ学院 / 明成個別 英語科講師のブログ

三つ子の魂百まで

 ヒトには言語を習得するための、ブラックボックスのような装置が、あたまの中に遺伝的に備わっている。(と考えられている)

 

 

 

 

 だから、ヒトであれば誰であっても、苦労なくして言語を習得することができる。母国語ってやつだ。

 

 

 

 

 

 でも、言語を習得するためには、ある条件がある。

 

 

 

 

 それは、幼少期にその習得したい言語が使われている環境に身を置く必要がある。

つまり、小さい時に言語にさらされる必要がある。

 

 

 

 

 言語になにも触れない状態で、"ある時期" を過ぎてしまうと、どんなに頑張っても言語をスラスラ話せるようにはならないと言われている。

 

 

 

 

 

 その "ある時期" というのは、クリティカルピリオド(臨界期)と呼ばれ、3~5歳と言われている。

 

 

 

 この時期はまだ正確には分かっていない。なんでかっていうと、なかなかそれを調べる実験ができないからだ。

 

 

 

 

 実験をしようと思ったら、ある子どもを言語に触れさせず、大人に成長させるということをしないといけなくなって、その子のその後の人生に多大な影響を与えてしまう。

 

 

 倫理的にダメってやつで、もしバッドサイエンティストが、実験をするためだけに、自分の子供を作れば、できちゃうかもしれない。

 

 

 非難はされるけど、言語獲得の研究は飛躍的に前進する。

 

 

 

 

 

 

 

 

  でも、その実験が、偶然可能になってしまった事件が起こった。

 

 

 

 1957年4月にアメリカ、カリフォルニアに生まれたジーニー(仮名)という少女がいた。

 

 

 彼女の父親は、妻に暴力を加えるDV夫。そして父親はなんとジーニーを赤ちゃんの時から狭い部屋に閉じ込めてしまう。

 

 言語を獲得するのに大切な幼少期を、社会から隔絶された空間に閉じ込められたジーニーは、13歳まで時を過ごした。

 

 

 

 

 父親の虐待、監禁が明るみに出て逮捕され、ジーニーは日の光を浴びることになったが、うまく言葉を話せなかった

 

 

 

 

 あらゆる言語学者たちが彼女に手を尽くしたが、結局言語を獲得するには至らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒトは誰でも言語を話す可能性を持っている。でも、クリティカルピリオドと呼ばれる期間を過ぎてしまうと、どんなに言語を勉強したって、流暢には話すことはできなくなってしまう。

 

 

 

 でも、裏を返せば、小さい頃にした経験というのは、その後の人生にずっと残り続ける。

 

 

 これは言語だけではなく、いろんなことがこれに当てはまると思う。

 

 

 小さい頃にピアノをやっていれば音感が身に着いたり、読書をしていれば読んで理解するのが速かったり。

 

 

 マクドナルドがあそこまで小さな子どもたちに向けたハッピーセットに力を入れる理由もわかる。

 

 子供の頃に味わったあの強烈なポテトの味は大人になっても忘れることなく、生涯ずっと食べたいと思うことになる。

 

 

 

 

 

 

 ちょっと話はそれたけど、言葉を話すというのは、ピアノのようなスキルではなく、ヒトに生まれつき備わっている、人間特有の能力なんだ。

 

 

 そして、面白いなと思ったのは、

日本のことわざに、「三つ子の魂百まで」というのがある。

 

 「幼い頃の性格はいくら年をとっても変わらない。」という意味で、源氏物語からでてきたことわざなんだけど、まさにこの言語獲得という的を見事に射ていると思った。

 

 

 

 

 

 

 

 「3歳までに言語が使われている環境に身をおけば、言葉を話せるようになる。」

 

 

 

 

 

 

 英語にも "The child is father to the man." とか同じような意味のフレーズがいろいろあるけど、

 

 

 

 やっぱ「三つ子の魂百まで」が一番具体的で、クリティカルな表現だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まさか、平安時代に生まれた伝統が、世界で行われている現代の言語学研究の最先端を言い当てていたとは。、

 

 

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 第二言語に関しては、また今度。笑